カーナビ取り付け&オーディオ換装(その2)
その1はこちら 設置概略図はこちら

2003年10月



 翌週の日曜、前回の続きの作業をした。といっても所用のため、夕方から作業スタート。すっかり暗くなっていた。

 今回はモニターの固定と本体などの設置。

 モニターケーブルは前回の作業で、オーディオ上のスイッチ列のダミーボタンから出しておいた。これなら、ケーブルの露出量が少なくなる。

 しかし問題はモニター自体の固定だ。一般的にオンダッシュモニタータイプのカーナビは、液晶モニターの取り付け台をダッシュボードに両面テープかネジで固定するようになっている。

 しかしいろんな取り付け例を探してみると、シートの金属レールに固定したアームに取り付けたり、中央のエアコン吹き出し口に取り付けたり、センターパネルの上部になんらかの方法で固定したり。

 とくに旧型の輸入車やスポーツカーはモニターを取り付ける場所がなくて、多くの先達の方々も工夫を凝らして取り付けていた。

 自分はそんな例を見ながら、そして同型Audiにカーナビを取り付けた先達の方が吹き出し口に固定したという話を参考にして、吹き出し口周辺でうまく固定できないものかと考えていた。

 できることならエアコン吹き出し口が使用できなくなるのは避けたかったから、他にいい方法はないかとずっと考えていた。

 なんとなく考え付いたのは、吹き出し口の内部の上面にステーをネジ留めして、そのステーを吹き出し口上部から前に出し、前に出ている部分にモニターを取り付けるという方法。

 しかし、吹き出し口を外して内部を見たが、ステーをネジ留めできるようなスペースはなかった。

 どうしようかと考えながら吹き出し口の奥にあるボルトネジを外し、吹き出し口のパネルが外れないかと全体を前に引っ張ってみた。すると、パネル全体が少し前方に出てきた。そしてパネルとダッシュボードの間にわずかな隙間ができた。

 もしかしたら、この隙間を利用できないか?

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エアコン吹き出し口のフィンを取り外した様子。

矢印部分は、モニターケーブルを出したダミーボタンの場所。

ここから出せばケーブルの露出が少ない。
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はじめに考えていた吹き出し口の上面はスペースがなくて使えない。

しかし、パネル全体を引っ張ると、矢印部分に隙間ができた。この隙間を使ってみることにした。

隙間にグググッと、モニター取り付け台のアヒルの足みたいな部分を突っ込んでみた。
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お!うまくいった!

隙間自体がかなり狭く、強い力で引っ張ってできる部分なので、手を離すだけで取り付け台が挟まった。

奥のボルトネジを締めれば、もう完璧。びくともしない。

これはイイッ!
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全体を見るとこんな感じ。

吹き出し口も使えるし、ダッシュボードよりも少し下のベストな高さになったと思う。

少しモニターが前に出てきたが、そのおかげでモニターにあるスイッチの操作がしやすくなった。


 さんざん悩んだモニターの固定が、あっけなくうまくいって良かった。この固定方法なら、よほどのことがない限りモニターがブレたりしないし、外れることもなさそう。

 モニターが済んだので、次は自宅に戻っての作業。

 職場のツテで電動ドリルを借りてきた。本当はモニター固定のステーを吹き出し口の内部にネジ留めしようと思っていたので、その吹き出し口内部に穴を開けるために借りてきたのだった。

 しかし、別の用途に使うことにした。

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借りてきた電動ドリルとドリルの刃。

思いのほか、強力で驚いた。
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吹き出し口とオーディオの間にあるスイッチ列からモニターケーブルを出すだめ、ダミースイッチボタンに穴を開けた。

このダミーボタンは予備がもうひとつあるので、元に戻すこともできる。
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ボタンの裏側はこんな感じでナゾの凹凸が多く、穴を開ける場所はここしかない。

でもちょうど端に沿って開けることで、ケーブルをうまく通すことができる。
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さらに、この樹脂プレートも加工を施す。

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断熱?防音?のスポンジがちょうど切れているこのあたり。
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電動ドリルを使うと、あっけなく穴を開けることができる。

穴をつないでこのくらいの大きさまで広げた。
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この樹脂プレートは、運転席のハンドル下の小物入れ全体なのだ。

ボルトネジを4ヶ所外すだけで、ガパッと外すことができる。

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開けた穴は、小物入れの隅から配線を通すため。

これでプレート裏の配線いっぱいの中から必要な線だけを引っ張りだすことができた。

いいアイデアだと思う。
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プレート裏は配線の巣窟状態。

ここからナビ本体に必要な線だけを表に出すために穴を開けた。
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この小物入れにナビ本体を設置した。

傾いての設置となるが仕方ない。他に適当な場所がないのだ。


 モニターの固定と同じく、ナビ本体の設置場所もずっと考えていたが、本体を持ってあちこちに位置合わせした結果、この場所に決めた。

 ナビ本体にはジャイロセンサーがあって傾きや進行方向などを感知しているので、本来なら傾いている場所に設置してはいけないことになっている。インダッシュモニターの場合は、パネルに斜めに挿入するが「何度くらい傾いて設置している」と設定変更で調整できるらしい。このナビにはその機能はない。

 本体を傾いた場所へ設置したことで多少の誤差は出るかもしれないが、他に場所がないので仕方ない。

 もうこれ以上、設置場所で悩んでもラチがあかないので、樹脂プレートに穴を開けて線を通すことで気持ちを確定させたのだった。

 モニターの固定と本体の設置が終わったので、配線を組み直して動作確認へ。

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モニターケーブルをダミーボタンに開けた穴から出して、モニターの固定も完了。

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チューナーボックスはこの場所に設置。というか押し込んだだけ。

エアコンスイッチと灰皿の裏あたり。上記のハンドル下の樹脂プレートを外すだけで見える場所。


 ここでアクシデント発生!

 動作確認をしようとエンジンをかけると、いつもの「ポーン」という気の抜けた起動音がしない。ナビが起動しないのだ。モニターには何も映らず、ナビ本体も動いていない。

 どこかの線が外れてしまったのだろうか?これだけあちこちの線をイジりまくっていれば、ひとつくらいは接触不良になってもおかしくない。

 再度、ハンドル下のプレートを開けて、配線やコネクタの接続確認をした。これがまた大変な作業だった。

 しかし、接触が甘いコネクタもなく、電源線などに間違いはなさそうだった。

 ここまできてマイッタなぁ〜と思い、タバコを吸いながら取付説明書をパラパラ見ていると、チューナーボックスにつながるコネクタが気になった。

 ん?まてよ・・・。チューナーボックスにつながるコネクタは2本あって、モニター出力とナビ入力とある。ほとんど同じ形状で内部の色が違うだけ。

 もしかしたらこれか!とコネクタを抜いて見ると、やはり入れ替わっていた。差し直して、すべて元の場所に収め、エンジンをかけると「ポーン」という音とともに起動した。

 SONYさんよ〜。これは間違えやすいから、差し間違えないようコネクタの形状を変えて欲しいぞ。

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コネクタ差し間違え。

まったく同じ形状なので入れ替えて差してしまう。

っていうか、こんなミスで直ってよかった。


 少し運転して、モニターの見え具合を確認した。

 なんとなく、モニターがもっと近いほうが良いような気がしたので、モニター位置を変更することにした。

 両面テープやネジで固定しているわけではないので、こうやって簡単にズラすことができるのだ。

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下から見た図。

めいっぱい運転席側に寄せてみた。

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少し運転席を向くよう傾けつつ、右の固定ネジが回せるような位置へ微調整。
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こんな感じで完了。


 ここでこの日の作業を終了した。もう寒いし、疲れたのだ。

 あとは、ダイバーシティアンテナの設置とアンテナ線の敷設、GPSとビーコンユニットの固定とケーブルの配線隠し。

 実をいうと難関を最後に残してしまった。アンテナ線は後ろの辺りまで引くまわすのだが、その間の線をいかに見えないように隠すかが難しいのだ。

 適当にカーペットの下を通しておしまいにするという手もあるが、できれば内装のカバーを外すなどしてできる限り見えないようにしたい。線が見えているとどうしても見栄えが悪いし、線に引っかかって危険なこともあるかもしれない。

 しばらく車で遠出することもないので、ヒマな日の昼間にゆっくりやればいいか・・・。


 そう思っていたのだが、さっそく車で遠出することになってしまった。それも片道400km超の未知の土地、そのうえ山道あり。これはカーナビ必須だろう。さらに同乗者ありなので、車内を片付ける必要がある。

 急いですべての作業を終えなくてはならなくなってしまった。金曜の深夜に出発するため、作業できるのは最後のチャンスの木曜の夜しかなかった。

 木曜深夜。今までは自宅前の駐車場で作業をしてきたが、さすがに深夜にここでやるわけにもいかず(近所の人に警察呼ばれたら大変だ)、少し離れた場所にある24時間営業の洗車場に向かった。

 その洗車場は以前からタイヤ取り付けなど、いろんな作業をやってきた場所。しかし、洗車は今まで一度もしたことがない。

 まずはチューナーボックスから伸びるアンテナ線を後部座席まで引っ張り、ダイバーシティアンテナの固定場所を決めた。

 できれば最近はやりのフィルムアンテナにしたかったのだが、金銭的な余裕がない。それで付属のダイバーシティアンテナを使うのだが、車外に設置すると洗車の際に面倒だし(たまにしか洗車しないが)、いちいちアンテナを伸ばすのも面倒、さらにアンテナを伸ばした昆虫の触覚のようなスタイルは好きではない。

 そこで、ワゴンタイプの車にあるクォーターウインドウ(荷室の窓)に両面テープで貼り付けることにした。

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取り付け台を両面テープでガラスに固定し、アンテナを伸ばした位置で動かないような微妙な角度になるよう微調整。

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アンテナの先が内張りに当たっているので、車の振動があってもアンテナが揺れてガラスに当たることはない。

なかなか、うまくいった。
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肝心のアンテナ線は後部シートの隙間に押し込んだ。

あとはシートの一番下からドアステップ?のプレートへ。

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ドアステップ?というのか不明だが、この樹脂のプレートの裏にアンテナ線を通した。

途中まではツメだけで外れるが、途中にネジがあるので注意。

それでもBピラーの辺りは難しそうな構造になっていたので、適当に押し込んだ。


 懸案だったダイバーシティアンテナの固定とアンテナ線隠しができたので、次はGPSとVICSの設置。

 GPS受信アンテナとVICS光電波ビーコンユニットの2つの箱を見えるところに設置しなくてはいけない。GPSは衛星からの電波が届きさえすれば、ダッシュ下に隠すこともできるらしいが、感度が心配なのでダッシュ上にした。

 またVICSは道路上から下に向かって照射される光を受ける必要があるため、フロントのダッシュに平らになるよう設置する必要があるらしい。

 助手席側のダッシュ上は平らで目立ち過ぎるので、運転席側にした。運転席側はメーターパネルの出っ張りがあるので、その奥に設置すれば車内からは目立ちにくい。それに配線の取り回しもラクになる。

 それぞれのケーブルは、フロントガラスに沿って這わせたあと、Aピラーの隙間から下に落とすと、ボンネットを開けるレバーの辺りに出てくるので、ハンドル下の配線のたまり場を経由してナビ本体へ。

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GPSとVICSはこの位置。

GPSの下に敷いた黒いプレートがスピーカーに少しかかってしまった。まあでもスピーカー交換する予定はないので、これでよし。

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この画像ではわかりにくいが、Aピラーとダッシュボードの間にある隙間から下に線を落とすことができた。

ボンネットオープナーのあたりに出てくるので、ハンドル下を経由してナビ本体へ。


 ここまでの機器の設置場所を図にしてみた。なにかの参考になれば幸いである。

(図をクリックすると別ページに大きな画像が表示される)

interior view
top view


 いちおう、これで完了。

 週末の旅行は、カーナビの大活躍もあって楽しく過ごすことができた。カーナビはじめての長距離テストとしては、かなりの高得点だったと思う。

 カーナビそのもののインプレッションや長所短所についてはまた今度。


 ●今後やりたい作業

 ACC線をパワーアップさせる「RD-221」のような配線セットかリレーを組むことと、チューナーボックスのビデオ入力が自由に使えるようRCAケーブル(ビデオなどに使うAVケーブル)を延長して機器をつなぎやすくすることを考えている。

 ビデオ入力に機器をつなぎやすくすると、例えばデジカメのテレビ出力からの線をつなぐことで、ナビモニターにデジカメの画像を表示させることができるのだ。

 デジカメ画像をパソコンに転送しなくても、風景画像のピントの甘さなどをカーナビのモニタで確認することができる。また、同行者と画像を見ながらあれこれ言い合うこともできる。

 さらに、ビデオカメラ(持ってないけど)をつなげれば、撮影直後にみんなで映像を見ることができる。さすがにこれはやらないと思うがな。

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